こんにちは、船長です。
今回はカツオキャスティングのコツというテーマで、この釣りをする上で最も重要となる、ナブラ探しについて、船長目線で且つ、船長以外の人がすべきことについて書きたいと思います。
他の記事でもちょくちょく書いてますが、オフショアの釣りはチーム戦ですのでそこを意識できるかで船中の釣果は変わります。
過去を振り返って、遊漁船に乗ってナブラ発生の合図があるまでスマホいじっていたり、ぼーっと食事をしたり、寝てたりしていたというような経験のある方は是非見てもらいたいです。
同船者の中でが今から書くことを意識できたら確実にナブラの発見率を高めることができると思います。
カツオのキャスティングとは何ぞ
カツオのナブラを見つけるためにやる事を解説する前に、カツオキャスティングとはどのようなゲームなのかをまず説明します。
文字通りカツオをキャスティングで釣るということですが、そんな一言で片付くような簡単な釣りではありません。
カツオは黒潮に乗って主に潮目につくベイトを求めて高速で回遊する魚であり、カツオキャスティングは大海原の中からカツオの居るであろう海域を推測し、目視でナブラ等を見つけてそこにルアーを投げ込んで釣ると言った非常に難しくて運を伴うゲームです。
ポイントが定まらないのが通常で、移動距離が必然的に多いため遊漁船の価格設定も高額になっていることが多いと思います。
そんな中で、カツオを見つけられずにクルージングで終わる事も珍しくはないというような釣りです。
そんなゲームだからこそ、1回の乗船で可能な限り釣れる可能性を上げて行きたいし、そのためにはまず広大な海の中からカツオを探し当てること、つまりナブラの見つけ方をマスターすることが必要です。
時にはナブラになっていなくてもカツオが釣れることもありますので、そのようなことも話していきたいと思います。
ナブラ探し
カツオのキャスティングに限らず、回遊魚のキャスティングゲームは魚の居場所を探がすところがスタート地点であり、魚が見つからないことには何も始まりません。
ここからは「魚の探し方」🟰「ナブラの探し方」について紹介していきます。
ナブラを見つけたら船長に大声で知らせて、竿先でナブラの方向を指してあげましょう。船長が既に見つけていることもあると思いますが、見つけてなかったらチャンスが広がったことになります。
鳥山探し
カツオを釣るためには基本的には、上記写真のような鳥山を探し出してようやく釣りの土俵に立てることになります。鳥山の下には必ずナブラがあります。
ここで、聞こえてきそうな声は鳥山なんて船長が探すものでしょ、、というもの。。
断言しておきますが、違います!
タイトルとなっているカツオキャスティングの釣果アップのコツは船に乗っている人全員で魚の居場所を探すということです。
というのも、たしかに遊魚船は広い視野を確保できる船長席、レーダー、無線が装備されていて、中には高価なソナーが付いている船もあるかもしれません。
しかし、船長が常時360度全体を確認できないこと、レーダーにも検知の限界があること、無線も基本的には広域の情報収集のためにあるもの、ソナーはついていない船の方が多いのとこれも検知に限界があることを踏まえると拾いきれない情報は人間の目で見極めるしかないのです。
すこし大袈裟な言い方かもしれませんが、私の船によく乗ってくれる友人達は、どんなレーダーよりも高感度な目と五感を持ってます。もちろん私も負けてません(笑
なので、周りの船がほとんど釣っていない中一人勝ちでクーラー満タンで帰ってきたこともあります。
個人的な偏見ですが、釣れる時は釣れる、釣れない時は釣れないカツオ釣りにおいて、一人だけ釣って帰ってくるっていうのは相当稀だと思ってます。ただ、人間の感度を高めて1日集中しているとこう言ったことも起こるほど差がつくということを知ってほしいです。
では、なぜ人間の目で、しかも全員でみないと見つからないかというと鳥山というものは、急にできる&急に消えるを繰り返していることが多いからです。
鳥山が狙っているのは、表層に追い込まれたベイト達ですので、カツオが表層までベイトを追い込んだ瞬間鳥山も一気に水中にダイブします。このときは、飛んでいた鳥も海面に浮いている、もしくは海面ギリギリを飛んでいるため遠くからは鳥は見えません。
これに、ウネリが加わるとそれが顕著になります。
わかりやすい動画があったので、切り抜いてその差を説明します。
下の一枚目の写真は、鳥山を発見してキャストする瞬間の切り抜きです。この時、鳥は水面のベイトに夢中で空をほとんど飛んでおらず、あまり数がいるように感じません。
そして、2枚目の画像がキャストして巻き始めた時の画像です。この間ほんとに数秒です。
ほとんどいないように見えた鳥が一斉に飛び立ちカツオの進行方向に飛び立っています。
基本的に遠くから見える鳥はこの状態の時しか見えません。
この2枚の写真を見るだけでわかってもらえたと思いますが、キャスティングで届く近距離範囲の中でもこれだけ見え方が刻々と変わるので、360°水平線の海の中で鳥山を探す時は鳥山の状態、波の大きさ、天気、視線方向の違いで鳥山が急に現れることになるのです。
もちろん、休んでいた鳥が急に飛び立つことで急に現れたように感じる等、別の理由もあると思いますが、考え方は同じで急なチャンスを誰かが気づいて釣果に繋げる。これがキャスティングにおいて大事なことになります。
鳥がつかないナブラ
基本的に鳥山を見つければ魚の居場所がわかると、上述してきましたが特殊な例で、鳥はいない状況で魚の跳ねだけがある場合があります。
上の写真は鳥が周りを飛んでいますが、手前で鰹がシャバっと出ていいます(白波みたいに見える部分)。
写真がないですが、鳥が全くいなくてもこのような単発の跳ね、まとまった跳ねが見えることがよくあります。
すかさず船長に報告しましょう。
船長も見逃しやすいので集中を切らさずに見てほしいポイントになります。
こう言った状況は、鳥が追いついていないパターンとベイトの種類によるパターンがあるのではないかと考えています。
前者の場合、鳥が追いついていない=釣り人も誰も打っていないフレッシュな群れの可能性が高く、ほとんどの場合入れパクの釣りになることが多いです。
ブラインドナブラ
勝手に作ってしまった言葉かもしれませんが、波の山が水面に立った時にギラギラと見える魚の群れのことを、私の船の乗組員たちはブラインドナブラと呼んでます。
水面に飛沫を上げるようなものではなく、水面直下でベイトを捕食しているときに水面に出切らないナブラが発生します。(ナブラと言わないのが正確なところかもしれませんが、、)
これは、発見頻度は低いですがこれを探せた時は一人勝ちに近づく要素になり得るチャンスになります。
実際にこの手の群れを発見して魚をかけたことがあります。
こんな種類のチャンスも存在するのかということを知っているだけで、可能性が広がった感じがしませんか?ぜひ覚えておいてください。
5感で感じるナブラ探しのコツ
ここまでで、鳥山やナブラの探し方はわかったけど釣りの最中ずっと集中なんて無理〜という方のために、集中すべきポイントを軽く解説しておきます。
第一にカツオの生息海域は黒潮との境目になるため、海の色が緑色から真っ青に変わったところからが探索開始となることが多いです。
さらに、その中でも潮目を見極める方法として波の高さに注目することです。
潮目付近は流れがぶつかり合い、局所的に海が荒れていたり、風速以上に波立っていることが多いです。このような変化を感じたら潮目があるはずです。その潮目にそって目線を移動させてみてください。遠くに鳥山が見える可能性が高いです。
その他にも、水温があります。黒潮は暖かな海流のため水温が上がります。水温計は船長席でしか見えないかもしれませんが、吹き付ける風が生暖かくなったりするような変化は捉えることができます。
このように、五感でいろいろな変化に意識を配ることでなんとなく集中すべき時がわかってきます。
詳しくは別の記事でまとめようと思いますので、楽しみにしていてください。
まとめ
今回は、カツオキャスティングのコツと題して、一番重要となってくる鳥山ナブラの探し方を説明しました。
鳥山が急にできること、鳥だけが全てではないことを踏まえて、船長任せにせず全員で集中を切らさないことが釣果を上げるコツになります。
また、特に集中しなければいけないポイントについても掻い摘んで説明しました。5感を働かせて最高の釣果を手にしてください。
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