こんにちは、船長です。
プレジャーボートの維持費ってかなりしんどいですよね。
少しでもランニングコストを節約するために、船外機のオイル交換をDIYで実施してきましたので皆さんにもシェアしていきます。
この記事はこんな人におすすめ!
・マイボートの維持費を減らしたい方
・船に愛着がある方
・船外機について少しでも理解を深めたい方
はじめに
今回は、海上係留のまま船外機のオイルを交換する方法を紹介します。
陸上保管している場合は、別の方法がありますので機会があればまた紹介しようと思います。
オイル交換をした船外機はスズキDF-100(100馬力)船外機ですが、オイル交換の方法はメーカに関わらず流れは同じです。
DIYで実施する場合はマリーナの許可を取った上で実施ください。
準備
オイル交換をDIYで実施する前に、必要なものを揃えましょう。
オイル交換に必要なもの
マリンオイル
純正のものを使えば間違いありませんが、如何せん値段が高いことがほどんどでコストメリットを出しにくいです。
私はこちらのマリンオイルを使用しています。
20Lなので約4回分の使用量で純正品と比べて約10000円ほどお得ですし、100%化学合成油でオイルグレードも純正品と同等レベルです。
オイルチェンジャー
オイルチェンジャーはオイルを抜き取る作業に使用します。
選ぶポイントは容量とホースの長さ、径です。
マイボートの船外機オイル取り出し口へのアクセスを考え抜き取り用のホース長さに問題がないか、ホースはオイルレベルゲージの穴に入る径か確認しましょう。
また、船外機の大きさに合わせて一度にオイルを抜いてしまえる容量があると作業効率がアップしますし、後述するオイル注入量の間違えもなくなります。
オイルジョッキ
こちらはオイルを注入するときに必要になるジョッキです。
ジョッキ選びのポイントは容量とキャップや蓋の有無です。
まず、容量に関しては船外機のオイル容量とを賄える大きさであればベストです。
ただし、大きければ大きいほど保管時にかさばるので、エンジンオイル量の半分くらいのサイズもオススメです。
次に、キャップや蓋の有無についてですが私の使っているジョッキはホースと注ぎ口の両方にキャップのあるタイプのものです。オイル交換をした後に車で道具を運ぶ際に残ったオイルが漏れるのを防げます。
エレメント(オイルフィルタ)
エレメントを交換する場合は、新品のオイルフィルタも用意しましょう。交換の目安は200時間に一回(オイル交換2回につき1回)です。
船外機メーカのHPから自分の船外機にあった型番を調べて間違えのないように購入しましょう。
工具
オイル交換のみの場合は、基本的には工具は必要ありませんが状況に応じて下記の工具が必要です。
ドライバー
スズキの船外機の場合はキャップにドライバなどの細い金属棒を使いテコで開けられるようになっています。ドライバーは一つは用意しておくと何かと便利です。
フィルタレンチ
エレメント交換に必要で、しっかりとした作りで確実に外すことができます。
別途工具が必要となるのでコストパフォーマンスは低いですが、ラチェットやトルクレンチとも組み合わせができるので作業の質にこだわる方はこちら。(サイズは要チェック)
一方で、プライや式などの簡易フィルタレンチというものもあります。
適用するフィルタレンチ径にある程度幅を持たせることができるところがメリット。
トルク管理などはできないですが、必要十分。
エンジンサイドカバーなどの取り外し用ドライバー
スズキのエンジン(DF-100)の場合、サイドカバーを外すためにネジを外す必要があります。
ネジはプラスドライバーでも外れますが、潮ガミ等で固着しかかっている場合、
ネジを舐めてしまう場合があるためナットドライバーを使うことをおすすめします。
船外機のネジはこのようにプラスドライバーでも外せますが、ナット形状なのでナットドライバーを使った方が力も入りやすく安心です。(画像は実物ではありません)
ウエス
作業時は予想以上にオイルが飛び散ったり垂れたりするので、ウエスは必須です。
自宅にあるいらなくなったタオルや服などを適切な大きさに切って使うとお金も掛からず済みます。
オイル交換の手順
エンジンの暖気
オイル交換をする前にエンジンの暖気をしておきましょう。
特に気温が低い場合はオイルの粘度が高くなるため、そのまま抜き取りするとなかなか抜けず効率が悪くなったり、抜き取れないという問題が発生する可能性があります。
検水口から出てくる水が暖かくなるのを目安に暖気するとよいと思います。
また、エンジンカバーは暖気後は火傷の危険があるので、暖気前に外しておくのをおすすめします。
エンジンオイルの抜き取り
オイルチェンジャーを使ってオイルを抜き取ります。
オイルチェンジャー付属のホースをオイルレベルゲージが挿入されている穴から入れます。
ホースが底につくまで入れ込み少し浮かせます。
(底に押しつけたままだと、吸い込みがうまく行かないことがあります)
オイルチェンジャーのピストンを上下させ、タンク内の圧力を下げることで自動的にオイルが抜けていきます。オイルの抜けが遅くなったら、再びピストンを上下させてください。
オイルが抜けるとこのようにタンクに廃油がたまります。(画像を紛失したので今回は写真はないです。。笑)
エンジンオイルの注入
オイルを抜き終わったら、新しいオイルを入れていきましょう。
エレメント交換する場合は、このタイミングで行いましょう。作業方法は後述します。
抜いた分と同量のオイルを注入
入れるオイルの量を決めます。
オイルチェンジャータンクにメモリが付いているので、抜いた量と同量をまず入れます。
オイル量をレベルゲージで測り、下限と上限にあることを確認してください。
下記写真のように、レベルゲージをウエスで綺麗に拭き取ったあと一度奥まで差し込み抜き、ゲージについたオイル量を確認してください。
ゲージに空いている穴から穴までの間までオイルが付いていればOKです。
エンジン始動でオイルを行き渡らせる
抜いた量と同量のオイルを入れたところで、いったんエンジン始動してください。
エンジンを5分ほど回すことで、内部にオイルが行き渡り少しオイルレベルが下がります。
ここでもう一度、オイルレベルを確認します。
エンジンオイルの再注入
あとは、オイルを少しづつ入れていき都度オイルレベルを確認して真ん中付近までオイルが上がってきたところで作業完了です。
キャップを忘れずにしめてくださいね。
エレメント交換の手順
エレメントを交換する場合は、エンジンオイルを全て抜き切ってから行ってください。
オイルを抜き切っていない場合、大量のオイルが漏れ出しますので気をつけてください。
エンジン毎のオイル量を事前に調べておくことで、全て抜けたかの判断材料になります。
エンジンサイドカバーの取り外し
スズキ船外機の場合、エンジン上部のカバーを取り外しただけではエレメント交換ができない仕様となっています。
サイドカバーを止めているネジをナットドライバ(プラスドライバでも可)で外していきます。
そのため、エレメントにアクセスできるようサイドカバーを取り外す必要があります。
古いエレメントの取り外し
カバーが外れるとエレメントが見えてきます。
エレメントを取り外す前に、ウエスをエレメントの下側に敷き詰めておいてください。
意外とドバッと出ることがあります。
用意ができたら、ソケットレンチを使って半時計回りにエレメントを回して外します。
新しいエレメントの取り付け
新しいエレメントをつける前に、エレメントの受け口のシール部分にエンジンオイルを指でなぞってつけておきましょう。
次に、手回しで時計回りに新しいエレメントをはめ込んでいきます。
シール部がエンジンと接触したのを確認してからフィルタレンチで1/4回転締め込み完了です。
締め過ぎは注意です。
サイドカバーの取り付け
エレメント交換が終了したときにサイドカバーを戻すのですが、一つ注意点があります。
そのまま戻すと次回、ネジが固着して開かなくなる可能性があります。
そのため耐水グリスをネジに満遍なく塗ってから戻すようにすると良いみたいです。
前回DIYしたときにそれをやらずに、今回少し苦労したのでマリーナの整備士さんに教えてもらいました。笑
オイル交換と同時に実施しておくとよいもの
普段釣りに行く時は釣りのことに夢中で船の面倒をしっかりと見れていない方は、私を含め多いのではないでしょうか。
せっかくメンテナンスで船をじっくりみる時間ができたのならついでに下記の項目も実施してあげると良いと思います。
耐水グリスの補充
耐水グリスの役目は、船外機の各種摺動部を隙間を埋めて腐食による固着などを防ぐことです。
忘れがちですが、毎日潮を被る環境下で使用される船外機において非常に大切な役割をもっています。
メーカの推奨は100時間ごとに補充となっているので、オイル交換と同時に実施すると覚えておくとわかりやすいと思います。
詳しくはまた別の記事で紹介予定です。
ギアオイルの交換(陸上保管のみ)
ギアオイルも同じく100時間ごとに交換を推奨されているオイルです。
これもエンジンのオイル交換と同時に実施すると思っておけば忘れないですね。
ただし、係留保管している場合はギアオイルの交換はできないため半年に一度程度、陸揚げする日を設けるなどして交換すると良いと思います。
こちらも次回実施時に記事にしたいと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
自分でオイル交換なんてめんどくさい、不安と思った方もおられるかと思います。
確かに、プロではないので不安やリスクがあることは否定できません。
ただ、私が思うことはそれ以上に実際自分でやってみると、「エンジンのこんなところまで錆びている」だとか「意外とオイルって汚れているんだな」とかたくさんの発見があります。
このような発見からもっと大事にしてあげようという愛着が湧いてきて船を大事にしようと思うようになります。
ぜひ、チャレンジしてみて下さい。
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